デザイン・ブランディング

2010. 08. 31

Paul Rand - デザインの授業

IMGP134820100831.jpg

ポール・ランドの「デザインの授業」を読んだ。
彼のデザインの定義というのは、まさしくこのセンテンスに集約される。

"Design is relationships.
Design is a relationship
between form and content."

— デザインとは関係である。形と中身の関係だ。



http://www.paul-rand.com/

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

2010. 08. 19

地域経済に貢献するデザインをしたい。

長崎港

僕はここ長崎で生きていこうと思っているので、長崎の10年後、20年後の在り方についてよく考える。特に地域経済については深刻だ。地域の経済状態が落ち込めば落ち込むほど人材の流出も増え、未来が描けなくなる、元気がなくなる、っていうのは目に見えている訳で、ここにどうやって貢献していくかというのは僕にとって大きな課題なのだ。

どんな地域も同じだと思うが、長崎という地域には長崎独自の資源がある。そしてそれが長崎の経済と未来の鍵を握っている。
さらに長崎の中においても地区や分野によってさらに細かい独自の文化があって面白く、非常に魅力を感じるものがたくさんある。
だけどそれらが伝わるカタチに変換されることは残念ながらほとんどない。

僕は今、地域経済を変えていくことができるのはデザインだと思っている。
その魅力を伝わるカタチに変換できるデザインだ。

例えば新鮮な鯛の刺身があったとしよう。
これを何も付けずに食す。
そうするとこの鯛の刺身が本当に「うまい!」ということが分かる人は実はそんなにいない。
ここに醤油やわさびを少し加えてあげることで、鯛の甘みと旨味が引き出され、人は「うまい!」と認識できる。

地域資源の魅力を引き出すためにこの醤油とわさびの役割を果たすのはデザインだ。
デザインで、ぼやけたピントを合わせて、くっきりと美しく魅力的に見えるようにする。

特に僕の場合はウェブが専門だから、ウェブ側から見ていることが多いが、インターネットで売るにしても基本的な商品のネーミング、パッケージデザインや商品ストーリーを語るコピーライティングや諸々の販促物のデザインが軽視されすぎていて「ネットで売りたくても売れる状態にない。」というのが多々あるのだ。

ひとつには売る側の販促クリエイティブ、デザインに関する無知がある。これはぜひともみんなで勉強していく必要がある。

もう一つはデザインする側のデザインに対する考え方とクオリティ。鯛の刺身にケチャップをかけるようなデザインがたくさん世の中には溢れてる。もちろん、これは自分でも気をつけなければいけないし、何度となくピントがあっているのかを考えて修正を重ねることが義務であり責任だ。

これからはウェブのデザインもよりいっそう力をいれていくけど、トータルで全体を形作るためにいいグラフィックやパッケージのデザインができるデザイナーと組みながら地域に貢献できる仕事をしたい。

いろいろお手本はあるけど、スターバックスくらいピシッとピントがあったデザインとプロデュースができるチームを作りたいね。

スターバックス

posted by keiju | | comments(2)trackback(0)

2010. 07. 30

I Love NY - Milton Glaser

iloveNY.jpg

来年の1月にNYに旅行する計画を立てていて、I Love NY ロゴの話が出たので、この機会に書いておきたい。

I Love NY のロゴはMilton Glaser(ミルトン・グレイザー)がニューヨーク州観光局のためにデザインしたもので登録商標はニューヨーク州観光局が持っている。

人類史上もっとも模倣されたと評されるこのロゴ。
模倣が多すぎて、実際に本物のロゴを想像できる人って少ないんじゃないかな。
しかも、あらゆるマテリアルに印刷されまくってるわけだから、本来ミルトン・グレイザーが意図したI Love NYロゴとは違った感覚で伝わってるってことは容易に想像できる。

明るい赤(朱色)で描かれている少しこてっとしたトマトのようなシェイプのハートと、わずかに揺れているタイプフェイスが非常にマッチしていて、愛らしくも凛とした品のあるデザインだ。

ヘルベチカのようなタイプで"I"と"NY"の部分が書かれたものを見たときは、思わず「違うだろ!」と心の中で叫んでしまった。


実は、このI Love NY。
ミルトン・グレイザー本人が焼きなおしたものがある。それがこれ。

ilovenymorethanever.jpg

ハートの左下の傷ついた部分はLower Manhattanの場所を表している。
2001年9月11日に同時多発テロが起こったワールドトレードセンターがあった場所だ。
more than everは直訳すると「ますます」「よりいっそう」ってわけで、うまく人々の感情を代弁してて共感を得ることができる、共鳴を引き出すデザインだね。


ミルトン・グレイザーは他にも色々なデザインをしているけど、個人的に好きなのはアルバートキングのポスター。アメリカ的!

albert_king.jpg


ちなみにミルトン・グレイザーとは全く関係ないけど、アルバートキングのブルース。
かなりやばいね。たまらんね。


■参考サイト
Milton Glaser
http://www.miltonglaser.com/

New York Department of Economic Development
http://www.iloveny.com/

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

BlueNoteとタイポグラフィー

midnightblue.jpg

昨夜は久しぶりにケニーバレルのmidnight blueを引っ張りだして聴いた。
音楽もだけど、Reid Milesによるジャケが素晴らしくて忘れられないアルバムになっている。
マイルスといえば、僕にとってはマイルス・デイヴィスとリード・マイルスなんだ。

そういえば、僕のタイポグラフィー好きはこのReid Milesによる影響が大きいんじゃないかと思う。なにしろ、10代の後半から20代の前半はジャズをよく聴いていて、必ず彼がデザインしたBlue Note関連のアルバムはことあるごとに買うはめになったわけで、刷り込まれてるんだろうな、と。

Kenny Burrell、Reid Milesとくれば、Andy Warholをイラストレーターとして起用したこのジャケも生唾ものです。

burrell.jpg

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

2010. 07. 08

たこ焼きみこちゃんのロゴ制作をお手伝いさせて頂きました。

たこ焼きみこちゃんのロゴ制作をお手伝いさせていただきました。
たこ焼きみこちゃんは長崎県西彼杵郡長与町東高田バス停側を拠点に営業しています。
ぜひお見かけの際は立ち寄って食べてみて下さい。おいしいですよ!

takoyakimikochan.jpg

ロゴ制作に対する店主の想いは以下のブログで!

■たこ焼きみこちゃんのブログ
http://ameblo.jp/takoyaki-miko/entry-10585513663.html

■たこ焼きみこちゃんのtwitter
http://twitter.com/takoyaki_miko

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

2010. 01. 31

ポパイ特別編集 佐藤可士和 デザインぺディア

昨日、打ち合わせの後にスタバでコーヒーしながら「ポパイ特別編集 佐藤可士和 デザインぺディア」を読んだんだけど、個人的に非常にオススメです。デザインとは何かを考える上で非常に重要な視点をいくつも提示してあります。

デフレの時代はアートディレクション的視点がないと、そこに飲み込まれてしまうし、うまく表現し伝えられる人が勝ちます。

では、気になった、共感した言葉をいくつか挙げておきます。

・造形的に美しいからといって、本物のデザインであるとは限らない。

・僕が思うデザインというのは、「ビジョンを設計する」ことです。

・シズルが上手に表現されているモノやビジュアルこそが、本物のデザインであるといえますね。

・電子レンジの広告を〈コム デ ギャルソン〉みたいに作って三振したりもしてたけど、本質を深く考えてからアウトプットするっていうやり方を見つけてからは、ハズさなくなったんです。

・「最適化」とは僕にとってデザインすること。

・変わらない本質がないと長続きしないし、人気も出ない。その本質を可視化するのが僕の仕事。

・僕がやることというのは、こういう表に出てきていないユニクロらしさを、デザインの力で引き出し、ブワーッと最大化すること。

・フォントをはじめとするデザインを通じて、ボケてしまっていた"ユニクロらしさ"を、ビシーッとピントを合わせてはっきりさせ、ユニクロの本質をピカピカに磨き上げ直すわけです。

ポパイ特別編集 佐藤可士和 デザインぺディア (マガジンハウスムック)
ポパイ特別編集 佐藤可士和 デザインぺディア (マガジンハウスムック)マガジンハウス

マガジンハウス 2008-08-29
売り上げランキング : 129819

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
1冊まるごと佐藤可士和。 (Pen BOOKS) 佐藤可士和×トップランナー31人 BEYOND―KASHIWA SATO SAMURAI 佐藤可士和のつくり方 プロフェッショナル 仕事の流儀 アートディレクター 佐藤可士和の仕事 ヒットデザインはこうして生まれる [DVD]

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

2009. 12. 30

デザインするな

「デザインするな」という本を読んだので、その中から「ホントにその通りだな!」と思った言葉を取り上げてみます。

まずは、ドラフトの宮田識さんの言葉。
長いので、若干省略してつなげてます。

デザインとは頭の中に思い描いたものを複写することです。例えばケーキを撮影しなければならないとします。プロのカメラマンならみんなきれいに撮れます。しかし技術があるからといって、おいしくは撮れない。「このケーキ、すごくおいしそうだ」と思った気持ちまでそのまま写すのは難しい。

つまり、デザインは思い描いたビジュアルと気持ち、感覚をそのまま描き出すということです。
この気持ち、感覚、を描き出せるデザイナーって本当に少ないと思います。

それからドラフトのOBの柿本原政広さんの言葉。
これは素晴らしい。デザイナーにはぜひわかってほしい言葉です。

僕がドラフトで教わったことは、デザインはアイデアやコンセプトといったものを考えるより前に、信念や思想について考えなければならないということです


僕らウェブデザイン、インターネットマーケティングにかかわる人間は、志のある企業、人、そこで生み出される商品・サービスを一人でも多くの人へその信念・思想・思いを形にし伝えることで、社会を豊かにする役割を担っていると思っています。

それが僕らの存在意義であり、決して僕ら自身がお金による生活の豊かさを享受するために仕事をしているわけではないということです。そして当然信念・思想・思いを伝えられないような仕事はしちゃいけない、とも思っています。

というわけで来年も一年突き進みます!

デザインするな―ドラフト代表・宮田識
デザインするな―ドラフト代表・宮田識
DNPアートコミュニケーションズ 2009-03
売り上げランキング : 152767


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

2009. 11. 18

金澤翔子さんの書

たまたまテレビつけてたらやっていたダウン症の書家金澤翔子さんの作品に驚き、感動した。

こういう作品を見ると「あー、オレ生きててよかった!」という感情がこみ上げてくる。
本当に得した気分になる。

やっぱり書は素晴らしい!


天使の正体―ダウン症の書家・金澤翔子の物語
天使の正体―ダウン症の書家・金澤翔子の物語
かまくら春秋社 2008-12
売り上げランキング : 34791


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
愛にはじまる―ダウン症の女流書家と母の20年
愛にはじまる―ダウン症の女流書家と母の20年
ビジネス社 2006-07
売り上げランキング : 30647

おすすめ平均 star
starお父様を尊敬します
star障害を持った少女の希望の軌跡

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

2009. 10. 04

企業に求められている「伝える力」

今、企業には「伝える力」が間違いなく求められている。
企業において伝達することのウエイトは年々高まっていて、伝達力が企業の力の差を生み出す大きな原因となっていると感じる。

日々多くの情報が生成され増え続けるこの世の中で、社会に対して自社の情報や哲学を明確に伝達し理解してもらうのは容易ではない。

はっきりいって90%以上の広告は心に届いていないし、残念ながら目にも入っていない、というのが実際だろう。

しかし、この「伝える力」を手に入れなければ企業はブランドを築けず、日々を擦り切れるような精神状態で戦い続ける必要があるし、その結果として長い戦を続けることは不可能だ。

「企業力とデザイン」はアスクル、虎屋などの企業がどのようにデザインと向かい合い、企業力を高めているのか、具体的な取り組みやアートディレクター、クリエイティブディレクターなどの視点が盛り込まれて描かれている、オススメの一冊。

マストリードですよ。はい。

企業力とデザイン
企業力とデザイン
ピエブックス 2008-07
売り上げランキング : 84209


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


こちらもオススメ!

ヒット商品のデザイン戦略を解剖する
ヒット商品のデザイン戦略を解剖する
ピエ・ブックス 2008-11
売り上げランキング : 206577

おすすめ平均 star
star球を持って走っているか?
starデザインの力

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)

2009. 09. 14

デザインを知る世界の名著100

デザインを知る世界の名著100が届いた。
たまらん!これで5,500円は安すぎる!
こういう書籍があるから情報はネットだけじゃダメなんだなぁ。

デザインを知る世界の名著100

デザインを知る世界の名著100

デザインを知る世界の名著100
デザインを知る世界の名著100
ビー・エヌ・エヌ新社 2009-08-10
売り上げランキング : 209858


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by keiju | | comments(2)trackback(0)

2009. 07. 23

最近読んだ本/Swiss Style Graphic Design

最近、読んだものを。

まずは、Helvetica: Homage to a Typeface。
欧文タイプフェイスのヘルベチカを使ったデザインや街に溢れるヘルベチカによる看板、サインなどを集めた本。ヘルベチカが大好きな僕はこの本でごはん3杯はいけそうな感じ。

Helvetica: Homage to a Typeface
Helvetica: Homage to a TypefaceLars Mueller

Lars Mueller Publishers 2005-01-14
売り上げランキング : 357

おすすめ平均 star
starデザインの引き出しにもグッド!
starフォントに興味が無くてもオススメ!
starこれは、買い!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


そして昨日、購入したのが、ロゴラウンジ〈5〉。
このシリーズは実に実用的でロゴデザインをやる人やグラフィックデザイナーなども買って損なしだと思う。

ロゴラウンジ〈5〉
ロゴラウンジ〈5〉キャサリン フィッシェル ビル ガードナー Bill Gardner

グラフィック社 2009-05
売り上げランキング : 99986


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

そういえば、先日たまたま見つけたサイトにswiss style graphic designについて書いてあって、ちょっと前に書いたブルーノートのジャケットデザインもこの辺りから来たものなんだな、ということがわかった。

僕のツボはタイポグラフィーとグリッドレイアウトなんだなー。
あらためてこういう気づきは新鮮!

Lessons From Swiss Style Graphic Design


次買うのはポールランドですかね。やっぱり。

ポール・ランド、デザインの授業
ポール・ランド、デザインの授業Michael Kroeger

ビーエヌエヌ新社 2008-09
売り上げランキング : 59639

おすすめ平均 star
star理論と実践をつなぐもの
star若いデザイナー必見です!
starデザインとは関係のしくみである(ポール・ランド)

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by keiju | | comments(2)trackback(0)

2009. 03. 19

デザインとは何か。

世の中にはデザインされたものが溢れている。
ただ、「デザイン」というものが何なのかを定義づけして理解している人は少ない。
これは一般の人たちに限ったことではなく、グラフィックデザインやwebデザインへのハードルが低くなった今、デザイナーと名乗る人たちのおおよそほとんどがそうだと思う。

大辞林にはデザインとは「行おうとすることや作ろうとするものの形態について、機能や生産工程などを考えて構想すること。意匠。設計。図案。」と書かれている。

しかし、これでは本来デザインが何をもたらし、どうしてこれだけ世の中にデザインされたものが溢れ受け入れられ、人間がデザインし続けるのか、を説明できていない。

そこで「デザインとは何か。」ということについてここで考えてみたい。

特にSEO一辺倒になってしまったwebデザインについては、そろそろ見直すべきときが来たと思うので、SEOを叫び続けるwebデザイナーにとっては参考になると思う。


まず、他の人がどのようにデザインを定義しているのかをいくつか探してみたい。

三重県ユニバーサルデザインのまちづくりには非常に簡潔に分かりやすくユニバーサルデザインの定義が書かれている。

特に、ロナルド・メイス氏によるユニバーサルデザインの7つの原則はデザインを定義する上でもヒント、参考になる。

●ユニバーサルデザインの7つの原則
1. 誰でも使えて手にいれることが出来る(公平性)
2. 柔軟に使用できる(自由度)
3. 使い方が簡単にわかる(単純性)
4. 使う人に必要な情報が簡単に伝わる(わかりやすさ)
5. 間違えても重大な結果にならない(安全性)
6. 少ない力で効率的に、楽に使える(省体力)
7. 使うときに適当な広さがある(スペースの確保)

これらの原則の下で、年齢や障がいの有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることがユニバーサルデザインの目的だといえる。つまり「利便性」や「安全性」を1人でも多くの人たちに広げるためのデザインである。


ウェブデザインとは何か(ITPLUS)の中には以下のような記述がある。

多くの要素をあれもこれもと詰め込むことが、必ずしも良いとは言い切れない。必要最小限の要素に絞り込み、よりシンプルに見せることで、ユーザーを悩ませることなく導くことができる。

つまり、ユーザー視点から見た場合は「利便性の向上」、「ストレスの軽減」だといえる。


iPhone 3Gを考える:iPhoneが提案するデザインとは(builder by ZDNet Japan)には、以下の部分が長谷川恭久氏によって非常に明快に書かれている。

最近の携帯電話には様々な機能が実装されており、使う人によって重点を置く部分こそ違うが、根本的なことを言えばコミュニケーションデバイスだ。(中略)

日本の携帯電話は今度発売されるiPhone 3Gよりも、機能の数が多く、機能ひとつひとつを比べてみても、遥かに優れたスペックを備えている。

もちろん、機能を軽視しているわけでもなければ、機能が少ないほうが良いというわけではない。重要になってくるのは、その実装されている機能はコミュニケーションデバイスとして必要なものなのか、そしてコミュニケーションをする上で邪魔にならない工夫が施されているのか、なのだ。

つまり、コミュニケーションデバイスをデザインする際には、コミュニケーションに重点を置いて機能、デザインを考えるべきである、ということだ。携帯電話にユーザーが求めているのはコミュニケーションを円滑にしてくれることであり、「他者とのつながり、関係を良好に保ちたいという欲求」が携帯電話を持たせているのだから、ということだ。

The Guts of a New Machine(The New York Times)にはアップルのスティーブ・ジョブズのデザインに対する考え方が書かれている。

it's about Apple's great sense of design. But what does that really mean? ''Most people make the mistake of thinking design is what it looks like,'' says Steve Jobs, Apple's C.E.O. ''People think it's this veneer -- that the designers are handed this box and told, 'Make it look good!' That's not what we think design is. It's not just what it looks like and feels like. Design is how it works.''

簡単に要約すると…

「多くの人たちがデザインとは見た目であると勘違いしている。デザイナーたちはiPodを手にとって、『カッコいいね!』っていうけど、そういうのは僕らが考えている『デザインとは何か』を表していない。デザインとは、単純に見た目や感じではなくて、どのように機能するかだ。」

この行は長谷川恭久氏も前述した記事で取り上げている。そこでworkを「動作する」と訳しているが、僕は「機能する」と訳したほうがしっくりくるような気がする。

単なる動きを越えた部分、つまり生活のなかでiPodがどのように機能し、何をもたらすのか、iPhoneがどのように機能し、何をもたらすのか、ということを考えれば「動作」より「機能」のほうがニュアンスは近いと感じる。

話が飛んだが、スティーブジョブズが考えるデザインとは、「どのように機能し、ユーザーに何をもたらすのか(あえて加えるならば、何を軽減するのか)」ということだろう。


これらの記事からもデザインというものが何なのかということが見えてくる。

人間は日々欲望、欲求を持って生きている。

それは「水を飲みたい」といった「生理的欲求」から、「健康でいたい」といった「安全欲求」、また、「承認欲求」、「自己実現欲求」など色々存在する。また、「苦痛・ストレスを取り除きたい。」、「快楽を得たい。」という欲求がある。

僕らが生活するうえでこういった欲望、欲求に突き動かされて行動するわけだが、その行動を起こすまで、そして起こしている際に必ず何かしらの「苦痛・ストレス」が壁として起こってくる。
その壁を取り除いていくことがデザインの一つの側面なのだ。

例えば、携帯電話を例に取り上げると人間の欲望・欲求の「人との良好なつながりを得たい。」というところが出発点だ。そこから、「友人関係を深めることで人生を楽しみたい。」という欲求や、「早く仕事を処理することで売上をもっと上げたい。」というビジネスに対する欲求などいろいろな欲求が派生してくる。

携帯電話を前者のような欲求の下で利用するのであれば、メールの絵文字機能を強化したり、ワンボタンでSNSへ移れるような機能が考えられる。後者の場合は、PDFやOffice関連書類を閲覧できたりといった機能だ。

iPhoneならばアプリケーションをダウンロードすることでその人の生活と欲求にあった携帯電話が出来上がる。それがiPhoneの強みであり、スティーブジョブズの言うデザインなのだろう。


加えて、もう一つのデザインの側面は、「承認欲求」、「ステイタスに対する欲求」、「愛と所属の欲求」を満たしてやることだ。

例えば、「ヴィトンのバッグがほしい。」というのは「自分の価値は友人よりも下ではない。」という「自己承認欲求」や当然周囲からの「承認欲求」、そして男女間のつながり、愛、所属、性、アイデンティティなどを含めた「愛と所属の欲求」が引き起こすものであり、最終的にヴィトンのモノグラムを含めたデザインがその欲求を満たすツールとして機能しているのである。

つまり、一言にまとめると…

デザインとは、人の欲求を満たすためにどう機能するかを設計し形にするものである。

だから、webデザイナーがウェブサイトをデザインする際に、SEO対策がユーザーにとっての最終的な欲求を満たすのであれば、大切になる。しかし、販売するものや広告するものがステイタスに対する欲求を満たすものの場合、SEO対策にだけ力を入れてもまったくもって意味がない。SEO対策に力を入れたために高価な商品がチープに見え、本来満たすべきステイタスの欲求を満たせないことがあることは覚えておかなければならない。

ユーザーの欲求を知り、良く考えてデザインすることが大切なのだ。

posted by keiju | | comments(0)trackback(0)